Jリーグが2部制となって13年。J2発足当時から参加しているチームで、J1に昇格経験のない唯一のクラブだったサガン鳥栖。J1昇格は、選手のみならずファンも心待ちにしていた。第37節の徳島ヴォルティス戦に3-0で勝利した時点で、ほぼ確実にしていたJ1昇格の切符を、最終戦によって自力で掴み取るという、選手もファンも納得する結果で締めくくった。
(画像はサガン鳥栖公式サイトより)
第37節終了時点で、3位のコンサドーレ札幌、4位の徳島ヴォルティスとの勝点差は3。最終節でサガン鳥栖が負け、札幌と徳島が勝てば、勝点差は並ぶ。しかし、得失点差は20あり、徳島戦に勝利したことは相当大きかった。地元の大型商業施設では、広場にテレビが設置され、人だかりができていた。それだけ徳島戦に対する地元の関心は高かった。
サガン鳥栖は、順風満帆なチーム状況では決してなかった。J2発足前のJFL時代に、鳥栖フューチャーズの経営難によって誕生したサガン鳥栖。名前を変えても2004年まで経営問題は続き、満足な補強ができず成績も上向きとはならなかった。2005年以降はようやく経営も安定し、徐々に選手の補強や若手育成が実を結び、昇格争いに参加するほどになる。金銭的には決して裕福でない雑草チームが、潤沢な資金で豪華な選手補強をするチームに対して向かっていく姿は、地元ファンをどれだけ勇気づけるであろうか。鳥栖の雑草魂が、J1という夢の舞台で花開く。
サガン鳥栖公式サイト